カテゴリー別アーカイブ: ファイナンス

PX時代の到来か

経済産業省が東証一部上場企業を対象に実施したアンケート調査によると、事業ポートフォリオを年1回以上、定期的に検討しているのは全体の半数以下です。ほとんど検討していない企業も約2割あります。さらに、事業撤退・売却の基準がない企業が8割近くに上っています。 ところが状況は変わりつつあるかも知れません。2020年7月18日付日経新聞によれば、今年1~6月の子会社や事業の売却件数(発表日ベース)は139件 … 続きを読む→

エーザイの凄さ

2020年7月17日付日経新聞でエーザイの強い非財務資本が取り上げられています。非財務資本とは、PBR(株価純資産倍率)の1倍を超える部分である「見えない資産(資本)」のことです。PBRは前回のブログ「呆れた知財価値の推定方法」で取り上げたばかりです。非財務資本は、知的資本、人的資本、製造資本、社会・関係資本、自然資本に分けられます(下図ご参照)。 出典:日経新聞「エーザイ、強い非財務資本」 この … 続きを読む→

呆れた知財価値の推定方法

7月初めに米国の電気自動車大手テスラの時価総額が、トヨタ自動車を上回ったことが話題になりました。両社の市場評価の違いが如実に表れているのが株価純資産倍率(PBR: Price Book-value Ratio)です。PBRは、1株当たりの純資産額の何倍の株価がついているかを示す指標です。分子と分母に発行済株式数を掛ければ、株価×発行済株式数=株式時価総額ですから、PBRは、純資産の何倍の株式時価総 … 続きを読む→

株主資本コスト試算マニュアル

2018年6月に改訂されたコーポレートガバナンス・コードの中で初めて資本コストというファイナンスの専門用語が記載されました。企業は資本コストの概念を取り入れた経営をすべきであり、各社が自分たちの資本コストを算出することを課せられたといえます。 ところが実際のところ、全上場企業 3,700 社のうち資本コストを把握している企業は最大で 500 社程度、資本コストを自ら計算している企業は最大で 300 … 続きを読む→

ソフトバンクGは大丈夫か?

ソフトバンクグループ(ソフトバンクG)の2020年3月期の業績は売上高6兆1,851億円と前年比1.5%の微増ながら、ビジョンファンドからの営業利益が前年比で3兆1,879億円減少、営業赤字△1兆3,646億円となりました。出典:ソフトバンクグループ決算説明会資料 Uber、WeWorkと関係会社3社への投資の公正価値が減少したこと、さらに新型コロナウィルスの感染拡大の影響に伴い、2020年3月期 … 続きを読む→

ソフトバンクG、潮目はどう変わったのか

先月12日に行われたソフトバンクグループ(以下SBG)の第3四半期(3Q)決算説明会で、孫正義社長はこう語り始めました。 「今回の決算を一言でいうならば、潮目が変わった決算といえるでしょう」 潮目が変わった理由を孫社長は三つあげています。 ・スプリントとT-mobile の合併差止訴訟に勝訴したことによって合併の最終段階に入ることが出来たこと ・ビジョンファンド事業(SVF事業)の3Qの営業利益が … 続きを読む→

前田と前田の戦い

前田建設工業の前田道路に対するTOB(株式公開買い付け)が混迷の度を深めています。2月20日、前田建設によるTOBへの対抗策として、535億円の特別配当実施を打ち出しました。従来から計画していた配当と合計すると、今期の配当総額は約615億円です。手元資金の相当部分を一気に吐き出すという大胆な作戦に打ってでました。 2020年3月3日付日経新聞によれば、さらに前田道路が同業最大手のNIPPOとの資本 … 続きを読む→

花王の経理パーソンになる

今回ご紹介したいのは「花王の経理パーソンになる(慶応義塾大学吉田栄介・花王株式会社会計財務部門編著)」です。まずは足許の花王の業績をみてみましょう。2019年12月期の連結売上高は1兆5,022億円、営業利益は2,117億円(営業利益率14.1%)となっています。国内トイレタリー市場のトップシェア、国内化粧品では第3位、世界のトイレタリー・化粧品市場では第9位となっています。また、2019年12期 … 続きを読む→

日経、自社株買いの勘違い

2020/2/6付日経新聞によれば、新型肺炎への各国当局の対応が進み、投資家心理も改善してきているようです。そうした中、米国株相場が再び上昇基調に戻ろうとしています。特にIT株高が相場をけん引しており、IT各社の自社株買いが、黒子のように株価を押し上げているというのです。記事の一部を抜粋してみましょう。 19年に最も自社株買いをした企業はアップルだ。年間で788億ドル(約8兆6千億円)で、純利益( … 続きを読む→

後出しの買収防衛策

買収防衛策を導入する日本企業の数は2008年をピークに減少傾向にあります。そうした中、東芝機械は、村上世彰氏が関与する企業からTOB(株式公開買い付け)の打診を受け、有事となったために、新たに有事型の買収防衛策を導入しました。 これを受けて、村上氏は日経新聞の取材に対して、こう発言しています。 暴挙以外の何物でもない。東芝機械は19年に株主の意思で買収防衛策を廃止したと考えている。株主意思の確認を … 続きを読む→

石野 雄一の本

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